君、シヲレルコト勿レ ネタバレと感想

榮屋シュロ作 君、シヲレルコト勿レ 最新話の3話が発売されました。

▶第1巻を無料で読めます 

 

舞台は祖父母から譲り受けた古民家。

ゆっくりと過ぎ去る時間、

現代に生きる私たちが手放してしまった
いにしえの時を刻む雰囲気を醸し出し
切なさ、懐かしさを覚えて

オアシスをもとめるように
引き込まれていく、榮屋シュロの作品。

 

榮屋シュロのホームページはステキすぎます♪

黒ぶちメガネの橘季一、私の好みのタイプ!
盆栽屋の吉良薫が植物に深く寄り添おうとする姿勢が胸に突き刺さります。

ゆるゆる流れる時間 派手さはないけれど
雨が大地にしみこむような、独特の雰囲気を持つ心惹かれる作品ですね。

 

君、シヲレルコト勿レ 第1話

直向キナ花

 

生け花のセンスはないけれど

植物達の個性を生かすことは得意だ、
と吉良薫は思っています。

 

吉良薫は祖父母から受け継いだ古民家で
盆栽屋をしています。

 

常連客は近所に住むお年寄りたち。

 

手土産を携えて、
お茶を飲みに来る程度でしかありません。

 

マニアックな盆栽ファンや
フラワーアーティスト達を相手に
新鮮な植物を提供、販売するのが主な仕事です。

 

趣味なし、恋人も家族もいない吉良。

 

ある日のこと。

黒ぶち眼鏡、スーツを着こんだ男が
外にディスプレイしてある吉良の盆栽を
じっと見入っています。

 

それから次の日も、その次の日も

 

その男は派手なスーツを着込んで
やってきては

 

花や葉もついていない
山茶花の盆栽を眺めているのです。

 

なぜか、今日は
あのド派手なスーツの男は来ない…

 

盆栽を部屋に取り込もうとした吉良は
現場系労働者の
みなりをした男に話しかけられます。

 

あの盆栽は、
もう花は咲かないのですかと。

 

吉良が、
おそらく、もう死んで…

 

と途中まで言いかけた時、
男は突然倒れます。

 

大丈夫か、と男の体を支える吉良。

 

吉良の家の一室に担ぎ込まれて
ベッドに横たわり、点滴を受けている男。

 

彼は目を覚まし、自分は橘季一であると
吉良薫に名乗るのです。

 

医者は薫にこう言います。

 

極度の低血圧、過労が原因だから
食事をとって休息が一番肝心。

 

医者にアドバイスされたことを
薫は橘に伝えます。

 

点滴を打ち終わった橘は
少し回復した様子で

 

起き上がり、
薫がいるカウンターにやってきて
たずねるのです。

 

あの盆栽は
枯れているのですか?と

 

おそらく…
葉も出ない、花もつけない

 

そういいつつも吉良は毎日、
植木の手入れをしているのです。

 

話している途中、
お腹が ぎゅるぎゅるっ…と鳴る橘。

 

余り物で手早く食事の用意をして
橘の前に差し出す薫

 

めちゃくちゃ 美味しそう
橘はうれしそうな表情で言います。

 

ふたりで食卓を囲んで、食事を始めます。

 

すっげー うまい
と薫お手製の料理を息もつかぬ速さで
ほおばる橘です。

 

薫は誰かと食事をするなんて、
以前はいつ、あったんだっけと
思いを巡らします。

 

脳裏にちらつく祖父母の顔。

 

橘は
次のように話を切り出すのです。

 

いつも
外からみていた古民家だけれど中側もいいなぁ

 

少し古びた漆喰とか、たまらん…

 

薫は、建築業をなさっているのですかと
職業について尋ねます。

 

橘は空間デザインをしています、

 

今取り掛かっている現場は
この近くにあるカフェなんですと応じる橘。

 

吉良は突然、
あっ と思い出したように

 

いつもこの家を見ていたんですか?とたずねます。

 

橘は盆栽を見ていたんです。
けど、買うと枯らしてしまいそうで…

 

あの山茶花がどうしても気になって…
と話し出すのです。

 

そう話す橘の横顔を何気なく見ていた吉良

 

突如として、はっと気づきます。

あの スーツメガネ !?

 

ズボンのポケットから
黒ぶちメガネを取り出しておもむろにかける橘。

 

びっくりする吉良、
思わずホストじゃなかったのかぁ

えっ? そうか、

あのスーツのせいか。
そんなふうに見られていたのかと感慨深げに思う橘です。

 

この出会いが
とんでもない未来につながるなどと

 

想像できるわけない…

 

薫はあらためてそう思うのです。

 

 

▶第1巻を無料で読めます 

 

第1回の感想

すごく好きなタイプのBLに出会ったかもしれない。
最初が一番肝心だから
作家さんは力をいれて作りこむわけだけれど

薫と橘の二人の出会いは最高に面白い。
枯れそうな盆栽を手入れし続けている薫とそれに見入る橘。

古い古民家で植木屋さんってシチュエーション最高。
しかも登場人物二人の名前も、話ごとのタイトルも古びてる。

古いたたずまいの家、骨董、植物、食べ物好きな私の嗜好を
全て満たしてくれそうな作品、今後が楽しみです。

 

君、シヲレルコト勿レ 第2話

サネカズラ

翌日。橘は高価そうな菓子折り持参で
薫の家を訪れます。

治療代だけしか…

 

と固辞する薫に考えあぐねて

 

仕事現場のカフェの、料理の試食に誘う橘
ふたりで橘の大学の先輩が経営する
カフェバーに向かいます。

料理をひとくち食べた吉良は
複雑なハーブの香りが広がって、うまい、と感想を伝えるのです。

橘に料理を出して食べさせても
うまい、おかわり って感想だけで

具体的なアドバイスなしだから
助かりますとカフェバーのオーナーに言われるのです。

話は、きのうの山茶花の盆栽に変わり、
花も葉っぱもつけていないけれど
枝の存在感が印象的で

花が咲くといいなぁ
と、橘は口にするのです。

もう咲くことはないだろう、山茶花。

自分の他に気にしている人間がいることに
なんとも、感慨深げな薫です。

昼食を共にした薫と橘ですが夜になるとふらりと
橘がまたやってきます、おなかをすかして。

ふたりでまた
薫の手料理で食事をともにします。

 

なぜ、山茶花がそんなに気になる?
薫はたずねます。

 

山茶花に思い入れがある理由を
橘は話し始めます。

 

自分がしょうもなく凹んでいる時に
見た山茶花のあでやかな姿が忘れられない…

 

続けて橘は薫にたずねます。

 

なぜ、枯れてしまった山茶花を
大切に育てているのでしょう、と。

 

一瞬、言いよどみながら
薫は言います。

 

祖父母の形見のようなものだから、と。

それなら、なんとしても花を咲かせないと
と、はっぱをかける橘です。

 

帰宅しようとする橘は
カフェバーお手製の焼き菓子を手渡します。
できれば、アドバイスお願いします。

橘は吉良のことを
突如として、薫さん と呼びます。
頬を赤らめて、動転する薫。

うれしそうに
またお土産持ってくるから、と伝える橘。

薫は思うのです、
変なやつに、懐かれたかもしれない…

 

期間限定、第1話は無料で読めますよ~

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第2話の感想

薫と季一、だんだんいい雰囲気になってきましたね。
物語の進み方、時間のゆるゆるな経過が
なぜか心地よいと感じる作品ですね。

ふたりとも山茶花に深い思い出があることを
話の中から理解し合うのね。

季一の、薫に対する好意を感じとり
関係が接近する予感を抱く薫。

空間デザイナーは季一の職業だけれど
作者の榮屋シュロは空間デザインを
漫画の構成の中に取り入れている感がありますね。
立体感を感じさせる漫画だなと感じます。

 

次回でいよいよ薫と季一の関係は
ぐぐっと深まるのでしょうか。期待したいです。

 

君、シヲレルコト勿レ 第3話

茜サス

空間デザイナーの橘季一は
薫の古い家に時々行くようになります。

 

料理の腕がバツグンの薫のもとへ
今日も訪ねていく橘です。

 

枝を選定している薫の真剣な姿に
かっけぇ… ぼーっと見惚れる橘です。

 

ぐつぐつ煮えているおでんを
柚子胡椒で食べる橘は満足そうです。

 

食べながら薫はもらいものの日本酒を橘に勧めます。
ふたりで意気投合し、すっかり酔っぱらった橘に
薫は泊っていくかと誘うのです。

泥酔してよろよろ歩く橘を部屋へ案内する薫。

 

最近、派手なスーツを着ていない橘にわけを聞くと
賞をもらってお偉いさんと会う日が続いていたから、と話します。

 

薫は言われるままにググってみると
橘は新進気鋭、若手の空間デザイナーであることがわかります。

 

季一は、あの山茶花の盆栽を見つけた時
マネージャーに金の持ち逃げをされて凹んでいたと
話しだすのです。

 

人間不信になり、自分を見失っていたとき
あの山茶花の盆栽が目に入ったと知らされます。

 

あの盆材は、葉もなく花もつけていない丸裸状態だった。
自分に重ねていたと薫は告白します。

 

もう一回やり直そうと思っていた矢先に倒れてしまった、
バカですいませんと言う、橘の頭をなでなでする薫。

 

頑張っててすごい、お前かっこいいよ

 

薫にそう言われた橘は顔を赤らめドキッとします。

 

橘は薫のことも聞きます。
祖父母に育ててもらった薫、彼がまだ高校の時にふたりは死に
趣味兼副業で盆栽好きだった、じいちゃんの後を継いだと話します。

 

両親について聞かれた薫は
母のことは知らない、
父は幼い薫を残して失踪してしまったと。

 

ずっと薫は寂しい思いをして暮らしてきたんだ…
胸詰まる思いが一気に湧き出す橘季一です。

 

薫に、きょう一緒に寝ようと
強引にベッドへ引きずり込みます。
橘はこの強がりで寂しがり屋を、
ひとりにしたくないと思ったのです。

 

翌朝、薫はコーヒーを入れてふたりで飲みます。
窓を開けたら寒い、という薫に
ぴったり体を寄せる黒メガネの季一。

 

強引で変な奴だけれど、いやだとは思わなかった薫です。

 

 

3話の感想

季一と薫は酔っぱらって
一つのベッドで眠るのですが
ただ一緒に眠るだけ、いい感じです。

 

ちょっとだけ期待してたんだけれど
ふたりとも、ドキドキしてたから次回が楽しみ。

 

凹んでいる時、
きれいに咲き乱れる花に心惹かれず
自分の今置かれている状況を重ねて
枯れそうな盆栽に吸い寄せられ見入る季一
たまらなくいいなって思う。

 

ずいぶんつらい体験をしてきた薫が
あえて自分の中の過去を見ぬふりふたをして
ずっと生きてきた心の荷物はかなり重いものだったでしょう。

料理好きな薫の手料理を
季一と一緒に食べてるところが毎回気になります。

おでんと日本酒って…
やっぱり渋いよね、古民家にぴったりすぎ。
しかもおでんに辛子じゃなくて
柚子胡椒でいただく、そう来ましたか。

ゆずの香りがあったら
おでん、飽きずに食べられるかもしれないですね。

やってみよう。
君、シヲレルコト勿レの世界にどっぷりはまっています…

 

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君、シヲレルコト勿レ 4話 朝霧ノ

薫は季一が使っているものが
いつの間にか増えていることに気づきます。

玄関に彼の傘、洗面台に歯ブラシ、ハンカチ…

近所のおばあちゃんが訪ねて来て
薫が季一と会話してうれしそうな表情をしていると
指摘されます。
楽しそうにしている俺、なぜか薫は
その言葉を素直に受け止められない様子です。

変わらないものはない…

薫は自分が置き去りされた苦い体験から解放されていないのです。
夢の中に突然、季一があらわれます。

一緒に食事して盆栽の手入れをしていても
彼は俺の家族じゃない、薫は落ち込んでしまいます。

チャットで薫に誘いを断られた季一は
カウンター越しに九重に愚痴を言っています。

薫の好きそうなスイーツを買いこんで
彼が食べる表情を見たかったとぽろりというと

それさ、恋じゃないのかと
ずばり九重に言われてしまいます。

あわてて否定したものの季一の心は揺れ動きます。

簡単に見分ける方法がある、と九重は季一に言います。

それは…

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4話の感想

薫は過去の忌まわしい経験を
ことあるごとに思い出してしまい、
心が傷つかないように行動するのですね。

うれしそうな笑顔で季一に接していたと言われても
素直に喜べないどころかそれを失った時のことを想像して
季一からの誘いを拒否してしまいます。

人は人生の中で様々な体験をします。
傷つくこともあるけれど、幸せな人間関係を経験していたら
また一歩踏み出そうとするものですが

薫の場合は幼い時に一番大切な両親から
手ひどい裏切りを受けていることが
癒えない大きな傷になっているのでしょう。

季一と親密になればなるほど
その関係が失われた時のことを考えると
恐怖に近い感情が沸き起こる。

一方、季一も九重のアドバイスに従って
薫への感情が「恋」なのかどうか、アレの反応を試すのです。

うすうす気づいていた自分の感情と
真っ正面から向き合う結果になった季一です。

次回、5話では
ふたりの関係は新たな局面に入るのでしょうか。

季一が積極的な行動に出るか否かが焦点ですね。